確認しましょう ~保険受取人~

夫が亡くなり、妻が生命保険金を受け取りました

この保険金は、他の相続人にも分配しなければならないのでしょうか?


 生命保険金は、原則、受取人固有の財産です

相続財産ではありませんので、遺産分割の対象とならず、分配の必要はありません

 例外として、受け取った保険金が相続財産に比して多額であり、

他の相続人との間に著しい不公平が生じるような場合は相続財産として扱われます


最高裁によれば、著しく不公平かどうかは、

以下の要素を総合的に考慮して判断するとされています

  ①保険金の額

  ②保険金額の遺産の総額に対する比率

  ③相続人と被相続人の関係(同居の有無、介護等に対する貢献度など)

  ④各相続人の生活実態

 

たとえば、相続財産が1000万円であるのに対し、生命保険金が9000万円という場合、

②の要件だけみると不公平のような気もします

しかし、最高裁は、②以外の要件も総合的に判断するとしています

受取人である相続人が長年に亘り一手に介護を引き受けていたというような場合には、

上記金額であっても著しい不公平とはいえないケースもあるということです


 保険金の受取人を指定することは、被相続人の意思の表れです

金額だけを見て、公平不公平を論じることのないよう、

被相続人の意思を最大限尊重することが大切です


 

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