養子縁組  ~実子を養子?~

先日、戸籍を確認していると、父母と養父母の氏名が同じという記載がありました

一瞬、同姓同名かとも思いましたが、そんなわけありません

戸籍の記載をよく読んでみると、実父が実子と養子縁組をしていました

実子と養子縁組とは?


昔の戸籍には、養子縁組の記載がとても多いです

明治より更にさかのぼる江戸時代の養子率は、30%を超えていたそうです

武士の家系では、後継ぎがなければ、お家断絶となってしまいますから、

養子縁組は、家制度の維持には欠かせないアイテムだったことが判ります


 明治に創られた民法は、家制度が色濃く反映されていました

そのひとつが、

婚姻をしていない父母の間に生まれた子(非嫡出子)と婚姻中の父母の間に生まれた子(嫡出子)

の相続分です

具体的には、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1とされていました


この相続分の差は、

憲法に規定される法の下の平等に反するのではないかとの議論が度々巻き起こる中、

平成25年9月、最高裁は、違憲の判断をしました


これを受けて民法が改正され、現在、嫡出子と嫡出でない子の相続分は同じとなっています


ということを踏まえると、

平成25年以前は、嫡出子と嫡出でない子の相続分を同じとする方法の一つとして、

嫡出でない実子と養子縁組することに意義がありました

養子縁組により、嫡出でない子は嫡出子となるからです


相続分の差、非嫡出子の身分関係、ほんの10年前までのことです

考えさせられます 


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